イカナゴのシンコ漁

イカナゴのシンコ漁が28日に解禁となって、島内の各地の漁港でも、早朝から漁船が海に繰り出し、港は水揚げに活気づいたそうです。

今年は暖冬ということもあり、例年のような強い西風が吹かなかったため、大きな産卵場所である播磨灘から大阪湾へイカナゴが流れず、水揚げ量は少なめということです。播磨灘でも、稚魚が同じ場所にかたまり、他の魚に食べられやすいため、やや少なめと見込まれているそうです。初日に水揚げられた量も昨年の3割余り。昨年の2倍の値段が付いたそうです。

シンコは「船曳網」と呼ばれる漁法で漁獲されます。船曳網漁業は、網船と呼ばれる2隻の漁船と、魚群を探して網船を誘導し、漁獲物を積込み港まで運搬する船(運搬船または手船とも呼ばれる)の3隻で構成されるとのことです。

【シンコとフルセ】
シンコ(または「コナ」)呼ばれるイカナゴの稚魚は価格が高く、佃煮や塩干物など主として食用として利用されます。それに対して、孵化から約1年を経たイカナゴ親魚はフルセと呼ばれ、比較的安価で取引され、養殖魚の餌としての利用が増えます。それでも、食用としても十分利用できるので、煮付けや天ぷらなどに調理され、シンコにはない脂ののりと濃厚な味が愉しめるそうです。

イカナゴのシンコ漁が解禁されますと、関西ならではの季節料理として、おいしい春の風物詩として親しまれている「イカナゴのくぎ煮」。春先に大阪湾や播磨灘で水揚げされたイカナゴの新子を、生のまましょうゆ、砂糖等の調味料で煮込んだ佃煮で、早春のほんの一時期に摂津・播磨、淡路地域を中心に家庭で作られ親しまれています。鉄分補給により色合いを出すために古釘を一緒に入れて炊く(煮る)から、またその炊き上がりの姿が古釘のように曲がった形をしているところからなどの理由から「くぎ煮」と呼ばれています。売店でも、昨年の分になるかと思いますが、「くぎ煮」は販売しております。今年の解禁となった分の販売は、業者に確認中とのことです。


[スタッフ:原田]
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