万葉の昔より「御食向かふ(みけむかう)」を枕詩に詠まれた淡路島。
御食国とは日本古代から平安時代まで皇室・朝廷に海水産物を中心とした御食料を貢いだ国のこと。
若狭・志摩と並び、多くの食材に恵まれた淡路島もまた、古くから朝廷に数々の食材を納めてきました。
古事記の仁徳天皇の項には「旦夕淡路島の寒水を酌みて、大御水献りき」とあり、毎日飲む水までもが、ここ淡路島から朝廷に運ばれていたほどです。いわば朝廷からのお墨付きを頂いていた淡路島の食材たち。現代でも数々の淡路島ブランド食材が全国にその名を轟かせています。
淡路島の食料自給率はなんと107%。畜産から野菜・水産など、豊かな土地が豊かな恵みを育み、賄っているのです。
食材の宝庫である淡路島だからこそできる、お料理をぜひお楽しみください。
古くから海水から塩を作り、美しい自然の中で得られる海・山の幸、清水等を「御食国(みけつくに)」として朝廷に納めていた淡路島。
今の時代も四季折々の美味しい魚介をたっぷり味わえるのは、淡路島ならではの魅力。島の漁港にあがる新鮮な魚介を中心に、淡路島の水と土と空気で育った選りすぐりの山海の恵みをちりばめたお料理を味わい尽くして頂きます。
全国に名を馳せるブランド食材「鳴門の鯛」は、鳴門海峡の激しい潮流にもまれるために身が抜群に引き締まり、上質な脂が適度にのっていることが特徴。特に産卵期の春は体を桜色に輝かせることから桜鯛(さくらだい)、また秋は紅葉鯛(もみじだい)と呼ばれ、「旬がない」と言われる程にどの季節でもおいしい真鯛が特に美味な時季といわれています。
その勇壮な姿や上品な味などで古くから日本人に好まれ、「魚の王様」として親しまれてきた「真鯛」。お祝いの席には欠かせない魚です。
淡路島では夏から秋にかけて漁の最盛期を迎える伊勢海老。硬い甲羅が武士の鎧に似ていることから縁起物として武家の間で好まれ、その長い髭と曲がった腰(腹部)は長寿のシンボル・縁起の良い食べ物として古くから神事には欠かせない食材となっています。
お造りで頂くとよくわかる、そのぷりぷりとした食感、口の中に広がる上品な甘みは、まさに海老の王様です。
白身で淡白、それでいて深い旨みと上品な味わいをもつ鱧(はも)。中でも淡路島の鱧は、京都などの高級料亭で「鱧なら淡路島の天然鱧」と言わしめる逸品です。
「梅雨の水を飲んで育つ」といわれる夏の鱧は、産卵に向けて活発にエサを求めて動き回り、せっせと栄養を蓄えるために特に身が太り、ひときわおいしさを増します。梅肉でいただく「鱧の落とし」や、同じ頃に収穫を迎える淡路島産の新玉葱と一緒に割り下で煮る「鱧すき鍋」で味わうのがおすすめ。また、さっぱりとした夏の鱧に対し、秋も深まりゆく10月11月の錦秋の鱧は、来たるべき厳しい冬に向けて身に上質な脂を纏い丸々と肥えます。その飴色・黄金色に染まった身は、味に深みが加わり夏とは違った旨みを堪能できます。
日本一の潮流の速さを誇る鳴門海峡に程近い淡路島南部の福良湾沖。その限りなく自然環境に近い状態で3年の月日をかけてゆっくりと大事に育てられるブランド食材「淡路島3年とらふぐ」は運動量が多く、身が引き締まって旨みがたっぷり。そのサイズは一般に流通している2年物が800g以下のものが殆どという中、1.5~2倍を超える1.2~1.8kgもの大きさになり、食感も格段に良くなります。
噛みしめるほどに底知れない旨みが口の中いっぱいに広がる「てっさ」、ぷりぷりとした食感がクセになる「てっちり(ふぐちり)」などで愉しめます。
色彩豊かな春に旬を迎え、紅桜色の鮮やかな身を持つ「淡路島サクラマス」。世界三大潮流に数えられるほど激しい潮流の鳴門海峡は、速い潮の流れや冷たい海水を好みサケ・マス類の中でも最も美味とされるサクラマスが育つには理想の環境。その鳴門海峡で育った淡路島サクラマスの身には、口の中に入れると舌の上でとろける上質ですっきりとした脂が纏います。グリルやフライといった様々な料理法に合う淡路島サクラマスですが、素材本来の旨みとコリコリとした身の食感を共に愉しむならお造りがおすすめ。
兵庫県は「真蛸」の漁獲量が日本一。中でも明石海峡・播磨灘・鳴門海峡・紀淡海峡に囲まれた淡路島で獲れる地蛸は、旨みが高く身が程よくしまっている事が特徴で天下一品の質と高い評価を受けています。
特に麦が芽を出し、麦踏みを行い、青麦になってから、穂が黄色くなって行く五月中旬から七月頃までを表現した「麦秋(むぎあき・ばくしゅう)」の頃の蛸は「麦わら蛸」という特別な呼び名を与えられ、昔から最高の旬の時期と言われています。
豊潤な瀬戸内の海が育む海の宝石「しらす」。淡路島で水揚げされる主なしらすは、色が白く最高級ともいわれるカタクチイワシです。ふんわりと釜茹でにした「釜揚げしらす」や、茹でてから天日干しにした「ちりめんじゃこ」など、淡路島ではお馴染みの食材。また、水揚げからわずか数時間で落ちてしまうしらすの鮮度をそのまま閉じ込めた「生しらす」も愉しめるようになりました。
淡路島の生しらす >>
畜産と結んだ肥沃な大地とさんさんと降り注ぐ太陽の光で育った、味の濃い、甘さが感じられる、元気いっぱいの島野菜とお米。
淡路野菜の代表「甘さ」と「やわらかさ」が特徴の玉ねぎや、レタス・トマトなど季節の採れたて食材には旨みがぎゅっと詰まっています。
また果物が豊かに育つこの島では「島スイーツ」の重要なアイテム、イチゴ・ブドウ・ブルーベリーがいたるところに実っています。
南あわじ市にある三原平野をメインに栽培されている淡路島のブランド食材。糖度の高さ(9~10%)、玉葱独特の辛味の少なさ、そして繊維のやわらかさ(通常の硬さの約半分)が特徴です。
その秘密は、通常約4ヶ月といわれる栽培期間を淡路島では6ヶ月もかけてじっくりと栽培していることです。そして長年かけてつくられた玉葱栽培に適した栄養豊かな三原平野の砂壌土にあります。
南あわじ市にある三原平野を中心に露地栽培される淡路島レタスは、兵庫県のレタス生産シェアの90%を占めています。
淡路島の温暖な気候や肥沃な土壌が育てる新鮮なレタスの食感をお愉しみください。
淡路島の土は強い粘土質で米作りに適しているといわれており、歴史を紐解くと古事記にもその歴史が伝えられています。
ツヤがあってモチモチ、糖度・香り共に高い淡路米。
太陽の光がサンサンと降り注ぐ淡路島では、ルッコラ、スイスチャード、ゼブラナス、アスパラ、ビーツなどの西洋野菜、そして食べられるお花「エディブルフラワー」も多種が栽培されています。
カラフルで種類も豊富。見て楽しめ、食べて愉しむことができます。
淡路島は知る人ぞ知る黒毛和牛の名産地。淡路牛は、優良な血統の但馬牛を素牛として長年に渡り他県産牛との交流を拒み、計画的な交配によって優れた特質を高めてきました。今では但馬牛の多くが淡路島で生育され、日本を代表する松阪牛や近江牛、そして神戸牛などの素牛(淡路島で育てた仔牛を出荷して各地域で肥育)となっています。
淡路牛の肉質は筋繊維が細かく、細やかなサシが入りやすのが特長。これによって鮮やかな霜降りを描き出します。
熱を加えるとサシが溶けてその周りの筋肉を解きほぐし、柔らかく良い舌触りに。筋肉の持つ味と脂肪の香りが絶妙に混ざり合い、特有のまろやかさを醸し出します。
淡路島・新グルメプロジェクト
御食国(みけつくに)プロジェクトとは、時の権力者や宮廷人など多くの人を魅了し続けてきた淡路島の「食」を通じて、全国の方々を淡路島にご招待するための事業です。その一環として、島の素材を使った「新しいグルメプロジェクト」が続々と淡路島全域で進行中です。
「淡路島ぬーどる」「淡路島牛丼」「島スイーツ」など、太陽と大地の恵みを受けた食材を存分に生かした淡路島ならではのメニューをぜひお召上がりください。
約1,000年の月日が流れても色褪せることなく続いてきた美味な「食」。
日頃の喧騒を忘れさせてくれる四季折々の美しい自然。